仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

十一月の句    ‘与謝蕪村の俳句より‘

手燭して 色失へる 黄菊かな

冬ちかし 時雨の雲も ここよりぞ

待人の 足音遠き 落葉哉

葱買て 枯れ木の中を 帰りけり

こがらしや 鐘に小石を 吹き当てる

秋去りて いく日になりぬ 枯れ尾花

ひとり来て 一人を訪ふや 秋のくれ

山暮れて 紅葉の朱を 奪ひけり

半江に 斜日片雲の 時雨哉

ひつぢ田に もみぢちりかかる ゆふ日哉

水かれて 池のひづみや 後の月

西吹けば 東にたまる 落ち葉哉

みのむしの ぶらと世にふる 時雨哉