仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

「向田理髪店」    奥田英朗   (光文社)

北海道の過疎地が舞台の連作短編集
6編収録

北海道の炭鉱都市だった町が舞台
一時期は栄えた町だったが炭鉱が閉鎖されてから
さびれる一方で、とうとう財政破綻したという町


主人公 向田康彦は理髪店の店主
妻・母との三人暮らし
娘と息子は就職して家を出ていたが
息子は会社を辞め、故郷に戻ってくる。

青年団のメンバーは町おこしを企画し張り切って活動している。
危篤の老人の家族のさまざまな思い
中国人の女性と結婚した農家の後継ぎ、
故郷に戻りスナックを開店したアラフォー女性、
東京で犯罪者となった男性
など、一話ごとに様々な人間模様が描かれます

過疎地ならでは良さ・悪さが描き出されている
心温まる系のホームドラマです。




おそらく過疎地の暮らしぶりをリアルに描いているのだろうと
思います。
ただし良いパターンの方で、現実はなかなか
こうはいかないのでしょうね。
私は楽しく読みましたが、実際にこういう地方の方だとどうなのかな。

私は、フィクションでまでリアルな生活の苦労を味わいたくないので
多少理想論であったとしても
心温まる系のストーリーを読みたいです。
ただし、リアリティがない、いかにも作り話的なものだと
覚めちゃうんだけど。