仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

「下町ロケット ガウディ計画」  池井戸潤   (小学館文庫)

直木賞受賞の「下町ロケット」の続編です。


前作から数年後、
佃製作所はまたピンチに陥ります。
今度の敵は、新興のライバル企業と権力志向の医学部教授です。

「ガウディ」とは、心臓病治療のための医療機器の名前です。



前作同様、楽しめる小説です。
敵味方含めて多彩なキャラクターの魅力、
日本古来の勧善懲悪ストーリーの面白さ、
時事問題を取り入れた時代性など
幅広い読者をひきつけるエンターテイメントだなと思います。

最大の購買層はやっぱり男性サラリーマンなのでしょうね。
この物語を読んで現実の溜飲を下げるという方も多いのでは。


女性向けではないなあと思うのは
新キャラ 加納アキ。
佃製作所の新入社員で技術職の若い女性。
彼女は少し先輩の男性社員と組んでガウディの開発に取り組みます。
時間も問わず二人で作業を続ける日々が続きます。

というと、最後にはロマンスが待っているのではないかと予想しますが
そんな描写は皆無です。
描写されるのは同僚としての絆のみです。

そこがいいです。
私は男のロマンが好きなので。

東野圭吾作品だったら、絶対そっちの展開になるよなあと
思うところです。




前作の攻略相手 帝国重工の財前部長が好きなので
出番が減って寂しいです。
佃製作所と仲良くなった感じはいいんですけど。