「復讐の女神」 アガサ・クリスティ[イギリス]
「カリブ海の秘密」の続編にあたり、実際の執筆順序でいうとシリーズ最期だそうです。
死者の遺言による依頼、
しかも事件の内容は不明(犯罪ではあるらしい)。
何が依頼の目的なのか、どうやって探索すればよいのか、誰が関係者で容疑者なのか
すべて手探りで進められていきます。
非常に凝った趣向のストーリーです。
犯人の動機も人間の心理の奥深い部分に根ざすものです。
「死の原因は愛である。」
印象深いセリフです。
最後の場面の、
冤罪から釈放された青年の今後の去就の選択、
報酬を受け取るときのミスマープルの反応、
これらからも人間というもののおかしみを感じられます。
執筆時、80歳を超えていたというアガサ・クリスティ、
バイタリティに敬服します。
さて、これから「カリブ海の秘密」も読まないと・・・。
逆やん!