仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

「そして誰もいなくなった」      アガサ・クリスティ[イギリス]

アガサ・クリスティの最高傑作とうたわれる作品です。

久しぶりに読みましたが、やっぱりすごいですね

マザーグースの一編をモチーフにした一連の犯行は、
まさに芸術的犯罪と呼ぶにふさわしい。
島という孤立した舞台、詩の掲示、減っていく人形などが演出効果を高めています。

それから登場人物の心理の変化も興味深いです。
初めは状況を笑い飛ばしていたような人物も、
だんだん深刻になり疑心暗鬼に陥っていく…。
最後には自ら詩の結末をなぞるように行動し、
演出者のシナリオ通りに舞台は幕を降ろします。


読んだことのない方には、ぜひおすすめしたい傑作です。