仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

「シャーロック・ホームズ」短編集より②      コナン・ドイル[イギリス]

ギリシャ語通訳」

ホームズ唯一の肉親、兄のマイクロフトが登場します。
 
ホームズを超えて浮世離れしていて、
またホームズに劣らない頭脳を持っている人物です。
 両親はどこにも登場しないのですが、
こんな兄弟の両親ってどんな人なんでしょう??
 
マイクロフト氏は作品中にたまに登場しますが、
ホームズに上から物を言う人物は珍しいので
会話に笑っちゃいます。
 
職業はいわゆる国家公務員。
「ブルース・パーティントン設計書」という作品で語られますが
誰にもできない仕事を受け持つ国家の重要人物だそうです。
 
彼は、他人と関わり合いたくない人たちのためのクラブの
会員です。そのクラブ内では私語は禁止だそうです。
日本で作ったら意外と繁盛するかも(笑)
 
 

「グロリア・スコット号」

ホームズが探偵を職業として選ぶようになったきっかけを語った作品です。
 
ホームズの大学時代、友人の家に遊びに行きました。
その時友人の父親に事件が起こりました。
 
 
若かりしころのホームズの姿が新鮮です。
さすがにそれほど偉そうではないので
 
 
 

「マズグレーヴ家の儀式書」

これもホームズが若いころの物語です。
 
探偵業を始めたけれど、まだ名前が知られていなかったころ
この事件がきっかけになって有名になり売れるようになったという事件。
ホームズの大学の同窓生で、旧家の跡継ぎの青年の家系にまつわるお話です。
 
 
色男の犯人は自分が捨てた女の復讐心によって破滅します。
男のうぬぼれと女の情念というものを感じた結末でした。
 
 
 

「最後の事件」

ホームズが死んでしまう最後の事件です。
まあ、後で生き返るんですけど
 
シリーズ中、最大の宿敵とも言えるモリアーティ教授との
対決を描いています。
 
二人は最後の格闘で滝壺に落下して終わりを迎えた
ということになっています。
 
最後の場面の、ホームズのワトソンへの手紙、
深淵なる滝壺の描写が感動的です。
 
 
 
作者は「シリーズはこれで最後」という作品を二つ書いていますが、
二回とも続編が出ています。
それだけ読者のラブコールはすごかったってことですね