仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

「心とろかすような マサの事件簿」 宮部みゆき

パーフェクト・ブルー」の続編ですが、前作を読んでいなくても支障ありません。
5編収録のミステリー短編集です。
 
 
物語はすべて、蓮見探偵事務所の犬マサによって語られます。
大規模な犯罪事件はなく、蓮見家の日常の様子がうかがえる作品集です。
 
前作より一年がたち、蓮見家の妹 糸子ちゃんは進路を決める時期になりました。
諸岡進也との仲も、どう進展していくのか気になるところです。
 
 
全作品に共通するのは「家族」に関する話だということです。
蓮見家、依頼人そして犯人の家族の関係がかかわってきます。
 
マサの語りの中で、彼の心中も明らかになりますが
蓮見家の年頃の姉妹に対して、彼の「父心」も複雑なようです。
 
 
 
最後の「マサの弁明」では
依頼人は小説家 宮部みゆき氏。
遊び心のある小品です