仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

『福家堂本舗』 遊知やよみ

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集英社漫画文庫から出ています。全7巻

 福家堂は、京都の老舗和菓子屋。
 女手一つでのれんを守るやり手の女将には、三人の娘
  長女:雛(ひな)=ひかえめな優等生、はんなりとした京娘
  次女:あられ=活発で外交的、明るく率直なあねご
  三女:ハナ=のんびりしたかわいい末っ子、周りをよく見ている

 17代450年の伝統という誇りと重圧は、家族の生活にも常についてまわります。
 跡取りは長女の雛とだれもが思っていた所、雛は家をでて結婚することを決めてしまいますが・・・。
 
 

歴史と伝統をになう老舗を受け継ぐ者の重みや
姉妹関係の機微が語られる作品です。

京都の昔ながらの地域生活の雰囲気もわかります。
いまどき「ぶぶづけ(お茶漬け)」ネタは古いでしょうけど、
やっぱりよそ者にはキツイ土地柄のようです。



長女と次女は幼いころから、最大のライバルであり仲間です。
どこの家でもそういう所はあると思いますが、
跡継ぎ問題がからむので余計シビアですね。

親と子どもの関係も難しいですね。
娘たちは母親の態度から心に傷を持っていますが、
自分がいざ親になった時には、子どもに対して同じようなことを
くりかえしています。
そこまで描いて終わるところが深い作品だなと思いました。
これも「歴史」というものでしょうか。




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以前茶道を習っていた時、お茶の作法は大して身につきませんでしたが(笑)
和菓子にはうるさくなりました。
やっぱり京都のお菓子はいいですね。老舗は違います。
鶴屋吉信」が好きです。他の店に似たような品があっても、センスと味が一段
違うような気がします。