仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

『プライド』 一条ゆかり

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女性誌「コーラス」に連載していたオペラ・ドラマ。
実写映画にもなりました。

  [登場人物]
 ・麻見史緒(あさみしお)=オペラ歌手だった亡き母の後を追い、歌手を目指す。
              実業家の父の下で裕福に育つ。美人でプライドの高いお嬢様
 ・緑川萌(みどりかわもえ)=オペラ歌手志望の音大生。ろくでもない母親と二人暮らし。
               バイトにあけ暮れる苦学生
 ・池之端蘭丸(いけのはたらんまる)=史緒と同じ音大、ピアノ科のプリンス。
                   母親は銀座高級クラブのママ 
 ・神野隆(じんのたかし)=大手レコード会社の経営者。若いが切れ者。史緒の母は初恋の人。 


 オペラ歌手を目指し、音大卒業後は留学するつもりだった史緒だが、父親の破産のため
 アパートで自活することになる。蘭丸は苦労する史緒を見かねて手助けする。
 萌が史緒の家にクリーニングのバイトで来たことから、二人の因縁が始まる。 
 優勝者は留学できるコンクールで二人は再会する。萌は史緒を陥れて優勝する。
 萌はアドバイスをくれた神野を好きになるが、神野は史緒に結婚を申し込む。
 蘭丸の母のクラブで、史緒は歌手、萌はホステスとして働くことになる。



作者のことばより
   「描きたかったのは“人としてのプライド”」
読み応えのある人間ドラマです。
ストーリーが進むにつれ、メインの四人が成長し変わっていきます。
 
コンクールやオペラの舞台など華やかな場面が多く、画面的にも見応えあります。
ラストは感動的です。



一条ゆかりさんの平成の最高傑作と呼びたいです。
この作品で漫画家生活40年を迎えたそうですが、
絵もストーリーも進化を続けている所がすごいです!

カラーイラストは額に入れて飾りたいくらい美しいです。
コミックス最終巻の表紙(画像一枚目)は、一人が後ろ向きという珍しい構図です。
物語の結末を暗示しているかのような意味の深いイラストで感銘を受けました。


一条さんのエッセイを読んだことがありますが、
向上心の強いプロ根性のかたまりのような方で尊敬いたします。