『エイリアン通り(ストリート)』 成田美名子 白泉社漫画文庫
1980年代のロサンゼルスを舞台にした、アメリカン青春グラフィティ
成田さんの初の長編で、出世作
主人公シャールは派手な美少年で大学の有名人。留学生だが素性は謎。
複雑な生いたちの彼は、他人に心を開かない。しかし、フランス人留学生ジェラールと
知り合ったことをきっかけにシャールは変わっていく。
シャールの家は、ジェラール、イギリス人執事のおじさま、日本のカワイイ女の子翼ちゃん、
シャールの乳兄弟的存在のイケメンアラブ青年セレムなどが同居していてにぎやかです。
シャールの正体は、アラブの某国の王族の父とイギリス人女優の母の間の子。
王子様なんですね~。
みんなで砂漠の宝探し、シャールが美少女アリスに軟禁される、シャールと翼が日本に旅行する、
セレムが故郷の砂漠に帰る、シャールがヒロインとして映画に主演する、シャールがテロリストに誘拐される
などなどストーリーは多彩です。
私は思春期、成田美名子さんにはまっていました。
その頃の作品を読むと
学生時代のアルバムを開いたような甘酸っぱい気持になります
今読んで気になってしまうのは
翼ちゃんが家出した後、シャールの家で楽しく暮らしながら
二年も親に何の連絡もしなかったこと。
心配している親の気持ちを考えれば「ありえない」と思ってしまいます。
やっぱり親側に感情移入してしまうなあ。