「幸福な王子」 オスカー・ワイルド [イギリス]
有名な童話です。
クリスマスのこの時期に似合うような気がします。
ある町に「幸福な王子」と呼ばれる像が立っていました。全体が薄い純金で覆われ、
両目はサファイヤで、剣のつかにはルビーが輝いていました。
季節は冬、暖かい土地へと渡っていく一匹のツバメが一晩の宿を借りようと
王子の足下にとまりました。
王子はツバメに願い事をします。
高いところに立っている王子は、町の人々の暮らしを毎日眺めていて
貧しい人々の苦しみに心を痛めていたのでした。
ツバメは王子の頼みを聞いて、病気の男の子の家に剣のルビーを届けてあげました。
その次には、夢を抱く貧しい若者と、マッチ売りの少女に、王子の目のサファイヤを一つずつ。
目が見えなくなった王子のために、ツバメは渡りをあきらめ
王子の側に留まることに決めました。
ツバメは王子の目の代わりに町中を飛び回り、人々の様子を王子に話して聞かせます。
王子はツバメに、自分の体から金をはいで貧しい人々に届けるようにさせます。
王子がすっかり丸裸になってしまったころ、町には雪が降り積もるようになりました。
ツバメは寒さにこごえ、どんどん弱っていきます。
ある日、ツバメは王子にお別れのキスをすると王子の足下に落ち、そのまま動かなくなりました。
王子の鉛の心臓は、悲しみに砕けてしまいました。
天使が神様の使いで町に降りてきました。
ツバメの体と王子の心臓は、天国へと運ばれていきました。
思わず涙してしまう心温まる物語です。
子供向けの童話ですが、せわしない歳末を過ごす
大人のみなさまにおすすめしたいです。