相模薪能 寒川神社
会場一時間前にはずらーっと並んでいました。
何時間も前から並んでいる人もいたとか。
本殿前に舞台がしつらえられていました。
こういう舞台が本来なのでしょうね。
東日本大震災の募金をつのったりしていました。
それは良いことなのですが、舞台にでかでかと横断幕をはるというのは
芸術として考えた場合、どうなんでしょう。
せめて舞台正面ではない場所にしてほしかった・・・。
5時半開始です。戦没者慰霊のための会ということで、
演目が始まる前に儀式がいくつか行われました。
まず神職の方が舞台のお清めをしました。
その他、舞台両脇のかがり火に火を入れたり、巫女さんの舞があったり
いかにも神事らしい諸式に、雰囲気が盛り上がりました。
だんだん空が暗くなって、かがり火が映えてきたり
時の移り変わりが自然に感じられるのも素敵でした。
能「巴」 狂言「樋の酒」 能「舎利」 の順で演じられました。
「巴」はやはり後半の舞のシーンが印象的でした。
前半とは装束を変えて、エンジの着物にオレンジの袴で登場した時
「わっ、美女!」とびっくりしました。
長刀を振りかざして戦場で闘う段はりりしくて
男装の麗人、オスカル様を連想しました(笑)
でも、愛する木曽義仲を想ってよよと悲しむ所では
嫋々とした風情でいかにも女らしく、せつなかったです。
最後に烏帽子をとってから退場する所では
女性としての巴で終わるんだなあという感じがしました。
筋もコミカルだし、眠気覚ましに良いタイミングです
お能を一番見ると疲れて眠くなりますから。
「舎利」は場所柄にあった演目でした。
舞台はお寺で、神や仏が相争うという筋ですから
舞台の背後に神殿が控えているのがぴったりでした。
野外能は初めてだったので、満喫しましたが
終わった後はぐったり疲れました。
会場前に、暑い屋外で並びましたし、
開演後も暑いままですし(夜になってもやっぱり暑い)
蚊と闘ったり、雨の心配をしたりと
環境的には厳しいですね。
屋内会場では得られない感興があるので
それでも見る価値は十分ですが
初心者にはお勧めしないですね~。