「『書道』の教科書」 横山豊蘭 [実業之日本社]
大人のための書道の入門書です。
シリーズとして「陶芸」など何冊か出ています。
「教科書」というだけあって非常にわかりやすく出来ています。
この種の本はいろいろありますが、本当に初心者に向いている内容です。
どこが一番よいかというと、筆の動かし方を図解してある所です。
筆先だけではなく軸の部分や手・腕の動かし方まで写真で表してあるので
その通りにやってみることができます。
普通の本だと、字の見本が書いてあって「~のように書く」と説明してあるだけで
じゃあ、どうやったらこう書けるの?ということになってしまいます。
この方式は、自学自習のためのテキストとして画期的なのではないでしょうか。
そのほか、書道の歴史や種別、古典作品などを写真入りで説明している章もあり
まさに「教科書」のように、書道の入門的知識を概括しています。
同じ字を筆ペンで書く場合のワンポイントアドバイスもあり
実用的です。
実生活では筆文字を書くとしても筆より筆ペンが多いものですよね。
道具の選び方、筆の洗い方なども説明してあります。
独学で書道を始めたい初心者の方にお勧めの一冊です。
ただ「書道」はもっと格調高くあるべきとお考えの向きには、実用的すぎるかもしれません。