仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

「アルバイト探偵(アイ)」シリーズ   大沢在昌   [講談社]

六本木の私立探偵 冴木涼介(さいきりょうすけ)と、その一人息子の高校生 隆(りゅう)が
主人公のアクションミステリー・シリーズ
6冊くらいでていますが、短編が多いです。
 
ナンパな雰囲気の明るい作品です。
主人公は父子とも女好き、かつモテる。
彼らの身の回りには、お色気たっぷりの熟女から美人女子大生、かわいい女子高生などなど
つねに女性の影があります。
 
新宿鮫」を、池波正太郎氏の「鬼平犯科帳」とするならば、
このシリーズは「剣客商売」といったところでしょうか
 
第一印象は
「うぇ~、チャラい」でしたが、
よく読んでみると
軽薄な上辺の底には男気たっぷりのハードボイルドが
隠れているのです。
 
 
冴木家には母はいません。「家庭」的雰囲気は皆無。
放任されている隆くんは父の背中を見つつのびのび育ち
時々家業を手伝うアルバイト探偵をやってます。
 
この「親子」関係にも事情があることが作中ほのめかされており
シリーズ何作目かで、その謎が明らかにされます。
悪口をたたきあいながらも、信頼関係で結ばれている
二人の男の絆がいいのです
 
 
 
巻が進むにつれ、ストーリーも大規模になってきて
国家機密に関わる活躍が増えてきます。
深淵・プライドのために命をさらっと捨てようとする父子に
シビレます。
 
涼介父はひねくれ者か、単に照れやさんなのか
そういう自分の男気をストレートに表そうとはせず
いつもチャラチャラとトボケてるのですが
そこがまた、ツボです