仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

「ベニスの商人」   シェイクスピア  [イギリス]

悪役シャイロックが有名なドタバタ劇。
 
主要登場人物は
 ベニスの商人アントーニオ、アンドーニオの友人バッサーニオ、 
 バッサーニオの婚約者で財産家のポーシア、ポーシアの侍女ネリッサ 
 
 
とんち問答や謎解きがちりばめられていて、いろいろと楽しめる作品。
ただし悪役シャイロックへの強烈な差別表現に目をつぶれば。
シェイクスピア作品の中でも一番、人種差別描写が強い作品なんでしょうね。
時代的に仕方ないけど、現代人の私としてはキツい
 
 
女富豪ポーシアが物語のキーパーソン。
亡き父の遺言で、ポーシアと結婚して財産を継ぐためには
ある謎を解かなければならないという設定。
 
その謎とは、金銀鉛の三つの箱のどれを開けるか?というもの。
どこかの国の童話の「三つの斧」や日本の舌切り雀を連想させます。
こういう伝承話って万国共通なのかな。
 
 
 
物語のクライマックスは、アントーニオがシャイロックの要求で死に至ることに
なるかを決する法廷。
法学博士に変装したポーシアとネリッサの活躍が見所。
 
シャイロックの強情な要求を逆手にとって
アントーニオを死地から救い出した手腕はお見事。
こちらは一休さんのとんち話を連想しました。
 
ポーシアが関係者すべてを手玉にとった形で
物語は幕を閉じます。
小気味良くすかっとする女性です。