「平成歌合 新古今和歌集百番」 上野正比古 [角川フォレスタ]
歌合(うたあわせ)とは、平安期などに行われた、
和歌二首を比べて勝敗を判定する遊びのこと。
この本は、新古今和歌集の歌と、対になる作者の自詠歌とで
勝敗を判定するというおもしろい設定になっています。
判定をするのは読者で、答えを書き込んで集計もできる判定表のページが設けられています。
勝敗の他に、二首のどちらが新古今集の歌かを当てる設問もあります。
ゲーム感覚で和歌を楽しめる、ユニークな企画の一冊です。
何百も並んでいる和歌を、漠然と読み続けるのはキツかったです。
解説などなしに、和歌そのものを楽しむのはよほど教養がないと
この本は、勝敗を決めるのは自分なので
なんとなくぼーっと読み続けることは出来ません。
私は勝敗の判定はしませんでしたが、
新古今の歌がどちらかを当てるのに燃えました
古典文学を読むというと、偉い先生の解説を拝聴しながら読む感じなのですが
この本は「自分で読む」スタイルで、より積極的・主体的に
和歌を楽しめたように思います。
そちらも読んでみたいです。
作者上野氏のご職業は弁護士、会計士です。
国文学の専門家ではない所が
この新機軸の本を書けた理由なのかもしれません。