「ロング・グッドバイ」 レイモンド・チャンドラー [アメリカ]
知る人ぞ知る、ハードボイルド小説の名作
私立探偵フィリップ・マーロウ シリーズ
有名なセリフがいくつかありますね。
作品を知らなくてもこちらだけ知っている方も多いのでは。
感想:「全編、男性特有の感傷に満ちているなあ」
私は「男のロマン」っていうのは結構好きなんですけど、
作品によって、うっとりひたってしまうのと
背中がかゆくてしようがなくなるのとに分かれます。
今回は後者でしたね~
ちっともひたれなくって、全編冷めた目で読んでしまいました。
理由としてはまず、テリー・レノックスという人物に感情移入できなかった
ことでしょう。
主人公マーロウが偶然酔いつぶれたレノックスを見かけて、
拾って自宅に連れて行って介抱してあげた
というだけの間柄なのですが
マーロウに忘れがたい印象を残し、短い交際の後に
殺人容疑で逃亡した彼を体を張ってかばうまでの感情を持つ相手となります。
私、どうも、ここんところに共感ができないんです。
なんでマーロウがそこまでレノックスに思い入れるようになるのか
わから~ん
もちろんその過程の描写はあるんですけど、腑に落ちません。
だから、その後、レノックスのために体を張って活動するマーロウにも
思い入れられないし。
ついでに、どの登場人物にも共感できませんでした。
アブナい美女アイリーンにも、
なんで最期にああいう関係になったのかがわからないリンダにも、
影のボス?ハーラン・ポッターにも。
そしてマーロウを裏切る?レノックスにも。
ラストシーンのマーロウを、読者の私はなんて思うべきなのか?
かわいそうってのも違う気がするし・・・。
読後感としては、歯がゆいです~
女にはわからない世界なんですかね~
シリーズをもっと読んだらわかるようになるかなあ。
第一作を読んでみようかな。