春たてば花とや見らむ 白雪のかかれる枝にうぐひすの鳴く
素性法師
春きぬと人はいへども 鶯の鳴かぬかぎりは あらじとぞ思ふ みぶのただみね
春の夜のやみはあやなし
梅の花 色こそ見えね 香やはかくるる
谷風にとくる氷のひまごとに打ち出づるなみや 春のはつ花 源まさずみ
春日野はけふはな焼きそ 若草のつまもこもれり 我もこもれり
み山には松の雪だに消えなくに 宮こはのべの若菜つみけり
春のきる霞の衣 ぬきをうすみ 山かぜにこそみだるべらなれ
ときはなる松のみどりも 春くれば 今ひとしほの色まさりけり 源むねゆき