仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

‘大浮世絵展’     江戸東京博物館    (両国)

イメージ 4
 
国内、海外から多くの作品を集めた、浮世絵の全史を概括できる展示会
ということで浮世絵に興味のある方にお勧めです。
 
なんでもそうですが、多くを見比べると、名作とそうではないものの差が見えてきます。
 
私は元々は浮世絵全般に興味はなかったなあ
ということを思い出しました。
浮世絵の中に好きな作品があるということで。
 
歌川広重と、葛飾北斎の「富岳三十六景」が好きです。
やっぱりどの分野でもスタンダードが好みのようです。
 
 
後期は色彩が鮮明になります。
絵の具が輸入されるようになったからなんでしょうね。
 
 
見てて感じたのは
浮世絵は芸術というより風俗なんだなあ、ということです。
 
「絵画」として鑑賞するより
当時の文化風俗全体をふまえて楽しむ方がいいのかもしれません。
 
 
それから他の種類の絵画と比べて
印刷物(本や絵はがきなど)と本物の違和感が少ないなと思いました。
 
これはもともと印刷物(本、版画)として製作されている(ことが多い)という性質から
来るのかな。
浮世絵の鑑賞は「本物」にこだわる必要性が少ないのかも。
 
 

 
イメージ 1
 
通常展示室内で行われていた
歌川広重の「東海道五拾三次」展
 
「大浮世絵展」は混雑していてゆっくり眺められなかったので
空いていたこっちの方が楽しめました。
 
 

 
イメージ 2イメージ 3
 
全作品が旅程順に並んでおり(一部は複製)
説明パネルは地図が添えられていて
東海道を進んでいく気分が味わえます。
 
私は地元が東海道沿いなので
余計に楽しめます。
 
パネルには絵画としての鑑賞の見所も書いてあります。
東海道五拾三次」の展示としては
とても良い企画です
 
二月二日までなのでインフルエンザの脅威と戦いつつ
行っておいてよかったと思いました。
 
 
 
 
 
 
 
それにしてもこの江戸東京博物館という館にはびっくりしました。
東京の古くない(開館20周年)大きな施設で
こんなに合理的でない施設は初めてでした。
 
両国駅のすぐそばにあるのですが
まず入り口がどこが迷うのです。
駅から歩いていくと
三階につながる大きな外階段にぶつかり、その脇を進むと一階に繋がるらしい。
「らしい」というのは申し訳程度の表示しかされてなくてよくわからない。
どちらでも入場できるようですが、どう違うのかは説明されていない。
 
とりあえず、一階の方に行ってみましたが
通用口か、と思うようなショボイ入り口。
 
切符を買おうとすると、ちょっと行列(これは仕方ない)。
驚いたのは有人窓口が3~4つだけ(自動販売機はない)
これは、アナログな良さだと思えばいいのかもしれないけど(お年寄りには機械よりいいだろうし)
 
並んでいたら、警備の人が「三階の売り場の方が空いています」と声をかけます。
「それなら入り口に表示しておいて」と思いました。
私は行きませんでしたが、三階に行ってみてやっぱり並んでいたら腹立つだろうなあ。
 
 
大きな施設の上、客が見て回る動線が考慮されていないようだし
表示も不十分。従業員に聞いても受け答えがはっきりしない。
二カ所の展示を見ただけなのに、かなりイライラしました。
 
 
国技館の隣で(お相撲さんをみかけます)、江戸情緒を楽しむというコンセプトの施設。
合理性など追求せず、のんびり楽しめばいいのかもしれませんが・・・。
 
でも、来場者数を考えば、もっと効率よくさばく責任があるんじゃないのかなあ?