‘大浮世絵展’ 江戸東京博物館 (両国)
国内、海外から多くの作品を集めた、浮世絵の全史を概括できる展示会
ということで浮世絵に興味のある方にお勧めです。
なんでもそうですが、多くを見比べると、名作とそうではないものの差が見えてきます。
私は元々は浮世絵全般に興味はなかったなあ
ということを思い出しました。
浮世絵の中に好きな作品があるということで。
やっぱりどの分野でもスタンダードが好みのようです。
後期は色彩が鮮明になります。
絵の具が輸入されるようになったからなんでしょうね。
見てて感じたのは
浮世絵は芸術というより風俗なんだなあ、ということです。
「絵画」として鑑賞するより
当時の文化風俗全体をふまえて楽しむ方がいいのかもしれません。
それから他の種類の絵画と比べて
印刷物(本や絵はがきなど)と本物の違和感が少ないなと思いました。
これはもともと印刷物(本、版画)として製作されている(ことが多い)という性質から
来るのかな。
浮世絵の鑑賞は「本物」にこだわる必要性が少ないのかも。
通常展示室内で行われていた
「大浮世絵展」は混雑していてゆっくり眺められなかったので
空いていたこっちの方が楽しめました。
全作品が旅程順に並んでおり(一部は複製)
説明パネルは地図が添えられていて
東海道を進んでいく気分が味わえます。
私は地元が東海道沿いなので
余計に楽しめます。
パネルには絵画としての鑑賞の見所も書いてあります。
「東海道五拾三次」の展示としては
とても良い企画です
二月二日までなのでインフルエンザの脅威と戦いつつ
行っておいてよかったと思いました。
それにしてもこの江戸東京博物館という館にはびっくりしました。
東京の古くない(開館20周年)大きな施設で
こんなに合理的でない施設は初めてでした。
両国駅のすぐそばにあるのですが
まず入り口がどこが迷うのです。
駅から歩いていくと
三階につながる大きな外階段にぶつかり、その脇を進むと一階に繋がるらしい。
「らしい」というのは申し訳程度の表示しかされてなくてよくわからない。
どちらでも入場できるようですが、どう違うのかは説明されていない。
とりあえず、一階の方に行ってみましたが
通用口か、と思うようなショボイ入り口。
切符を買おうとすると、ちょっと行列(これは仕方ない)。
驚いたのは有人窓口が3~4つだけ(自動販売機はない)
これは、アナログな良さだと思えばいいのかもしれないけど(お年寄りには機械よりいいだろうし)
並んでいたら、警備の人が「三階の売り場の方が空いています」と声をかけます。
「それなら入り口に表示しておいて」と思いました。
私は行きませんでしたが、三階に行ってみてやっぱり並んでいたら腹立つだろうなあ。
大きな施設の上、客が見て回る動線が考慮されていないようだし
表示も不十分。従業員に聞いても受け答えがはっきりしない。
二カ所の展示を見ただけなのに、かなりイライラしました。
国技館の隣で(お相撲さんをみかけます)、江戸情緒を楽しむというコンセプトの施設。
合理性など追求せず、のんびり楽しめばいいのかもしれませんが・・・。
でも、来場者数を考えば、もっと効率よくさばく責任があるんじゃないのかなあ?