仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

十月の歌   ‘小倉百人一首より’

秋の田の 仮庵の庵の 苫をあらみ わが衣手は 露にぬれつつ    天智天皇
 
吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ   文屋康秀
 
白露に 風のふきしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける     文屋朝康
 
八重葎 しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり   恵慶法師
 
さびしさに 宿を立ち出でて ながむれば いづこも同じ 秋の夕暮れ      良せん法師
 
夕されば 門田の稲葉 おとづれて 芦のまろやに 秋風ぞ吹く       大納言経信
 
村雨の 露もまだひぬ 真木の葉に 霧立ちのぼる 秋の夕暮れ      寂蓮法師
 
 わが庵は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり      喜撰法師
 
世の中よ 道こそなけれ 思ひ入る 山の奥にも 鹿ぞ鳴くなる     皇太后宮大夫俊成
 
おほけなく うき世の民に おほふかな わがたつそまに 墨染の袖      前大僧正慈円