仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

一月の句    ‘松尾芭蕉の俳句より’

天秤や京江戸かけて千代の春

庭訓の往来誰が文庫より今朝の春
        
かびたんもつくばはせけり君が春

発句也松尾桃青宿の春
  
ああ春々大ナル哉春と云々
     
元日やおもへばさびし秋の暮れ

はる立や新年ふるき米五升

誰やらが形に似たりけさの春

二日にもぬかりはせじな春の花

春立てまだ九日の野山哉

元日は田毎の日こそ恋しけれ

うたがふな潮の花も浦の春

おもしろやことしのはるも旅の空

薦を着て誰人います花のはる

年ゝや猿に着せたる猿の面

門松やおもへば一夜三十年

幾霜に心ばせをの松かざり

春立とわらはも知やかざり縄

餅を夢に折り結ぶしだの草枕

餅花やかざしにさせる嫁が君

誰が婿ぞ歯朶に餅おふうしの

蓬莱に聞かばや伊勢の初便

年は人にとらせていつも若夷

叡慮にて賑ふ民の庭竈

大津絵の筆のはじめは何仏

子の日しに都へ行かん友もがな

かなしまむや墨子芹焼を見ても猶

我がためか鶴はみのこす芹の飯

よもに打薺もしどろもどろ哉

ふるはたやなづなつみゆくおとこども

昆若にけふは売り勝つ若菜哉

一とせに一度つまるゝ菜づなかな