仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

『青空エール』完結

別冊マーガレットで連載していた河原和音氏の「青空エール」の最終巻が出ました。

好きな作品だったけど、ラストが気に入らなくて冷める
ということは、時々あります。

ストーリー上、整合性のない結末だったりして
納得いかないということが多いのですが
今回はそうではありません。
盛り上がってハッピーエンドで大団円です。



「やっぱり、私、体育会系資質0だわ~」
というのが理由。

ストーリーは
高校野球部の彼と吹奏楽部の彼女が
励まし合って全国大会出場を目指す
というさわやか青春物です。

最終巻では
吹奏楽部が全国大会で
「全員が一つになった」素晴らしい演奏で金賞をとります。

私は、この「みんなが一つになった感動」に酔えない。



あとラストは
主人公がみんなに対して
「がんばれ、がんばれ」とエールを贈る
という形で終わってますが
これもダメ。

「がんばれば何でもむくわれるもんじゃない」とか
「他人から努力を押しつけられるのはどうよ」とか
思っちゃう。
(努力することが無意味とは思っていませんが)



そもそも野球部と吹奏楽部って
日本的部活動道体質の最たる部ですよね。

学校は学業のために行くもので
部活動が学校生活の最上位に位置するって
基本的におかしいと思うんですけど。
まあ、そういう人も多いのが実際ですが。

私は部活動に全身全霊で打ち込んだ経歴はありませんが
人生困ってません。
(運動部に所属経験はあります。
経験しておいたこと自体は有意義だと思ってます)



学校の体罰問題とか見ても
部活動の場面が多いので
それなら活動削減すればいいのに
と思います。




体育会系と文学系って
真逆な思想だと思います。

文学って基本的に「個」をつきつめる作業で
全体主義とは異なる思考だと思うんです。

(中には全体主義的作家もいますけど。
三島由紀夫はそれ系?)

体育会系は自分の嗜好を他人に押しつけがちですが
「スポーツマン=善人」「酒が飲めない=協調性がない」
文学系の人は、読書を他人に奨励したり
自分の好きな本を人に押しつけたりする傾向は
少ないと思います。

基本的な価値観の差だろうなあ
と思います。