‘コレクション展 松竹梅’ 根津美術館(青山)
副題は「新年を寿ぐ吉祥のデザイン」
松竹梅の意匠の作品展です。
「百椿図」の絵をデザイン化したはがき。
さすが根津美術館は何かとセンスが良いです。
今回、一番興味深かったのは「百椿図」
椿の品種目録的な絵巻物です。
江戸時代、 伝 狩野山楽 筆。
ながーい巻物に多様な椿の絵が並んでいます。
品種目録的といっても
図鑑のような無味乾燥なものではなく、
花器に飾られていたり、籠にあしらったりと
様々な意匠の姿の花が並んでいます。
さらにそれぞれの絵に対する賛(さん)が書き込まれています。
(賛というのは、絵画への賛辞を直接その絵に書き込むことです。
それも含めて作品として鑑賞されます。)
数十人の賛が書き込まれていますが
そうそうたるメンバーですごい。
それぞれの個性的な書を見ているだけで楽しめます。
この図の創作依頼者は 丹波篠山藩主・松平忠国で
賛は忠国とその息子が二代にわたって集めたとのこと。
大名のコネを駆使したんだろうな、
俳人なんかは身分としては低いのに、顔が広いなあ、
書いてもらう時はその人の家に作品を持って行ったのかな、
間違えたら書き直せなくて作品全体に傷がつくから、書く人はプレッシャーだろうなあ
とか、いろいろ想像するのも楽しいです。
お庭の紅梅が盛り。