仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

‘東慶寺 文書展’

東慶寺 宝蔵(宝物館)で
9月25日まで開催中の展示会です。


東慶寺といえば「駆け込み寺」
江戸時代、離婚できない女性が
このお寺に逃げてくれば離婚をさせてくれる
という独自の権限を持っていました。

ということは知っていましたが
どういうシステムなのか細かいことを
考えてみたことはありませんでした。

展示会を見てみて初めて考えたのですが
なかなか興味深かったです。


制度として合理的にできていたことがわかりました。
なんか、現行の離婚調停制度に似てるかも。


また、さまざまな人間模様が見て取れました。
いわゆる「三くだり半」=離縁状が何枚も並んでいて
おもしろかったです。

浮気相手との再縁を許可する寛大な夫、
離婚はするけど、同じ村での再婚は許さない面子にこだわる夫。

また、夫の非を訴え離婚を求めたけれど、自分の行状の悪さが発覚して
却下されてしまった悪女もいました。

女性の地位が低かった時代というイメージですが
やっぱり人間さまざまな訳です。



なぜこのお寺には、独自の権限が認められたのか
創建からの歴史に理由があることもわかりました。

今は尼寺ではありませんが
「女性のためのお寺」という伝統は生き続けているように
思います。


フェミニストの方にお勧めしたい展示会です。
歴史や民俗学の上でも価値があると思います。