‘源信 地獄・極楽への扉’展 (奈良国立博物館)
9月3日まで開催の特別展です。
仏像をまとめて見たい方にお勧めです。
ところで「源信ってだれ?」という方が多いでしょうね
平安時代の僧侶で「往生要集」の著者です。
浄土信仰いわば「地獄極楽」という概念を
世に広めた人物です。
その人物の展覧会ですから
地獄を描いた絵とか仏様が死者を迎えにくる図とか
まったく華がありません。
いたって地味趣味の私でも、「ぜひ見たかった」とは思わなかったです
印象に残ったのは、とある絵巻物。
題材は死体。
死んだ体が傷んでいく様子を、段階的に描写してるんです~
達筆の説明文付の美しい日本画で、死体がリアルに描かれてるんです。
なまじ絵巻としては美しく出来ているだけに迫力。
「な~んで、こんなものを絵巻にしたのか」とげっそりしましたが
「今の日本に不足してるのはこれかも」とも思いました。
「死=禁忌」として直視しない慣習が
高齢化問題の一因だと思うのです。
「死=消滅・罪悪・敗北」ではない価値観をもてると
老後を幸せに過ごせると思います。
寺巡りのテーマは実はそこにあるのかも。
ここもシカちゃんたちのお庭
国立博物館は歴史があるので
どこも建物が素敵です。