仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

‘ムンク‘展      東京都美術館 (上野)


1月20日まで開催中

ムンク「叫び」といえば、
美術にまったく興味ない人でも知っているであろう
通名詞並みに有名な絵です。


イメージ 1

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特別興味はなかったですが
これだけ有名な絵は見ておかなきゃ
と思って行きましたが
正解でした。

有名=普遍=誰が見ても価値がわかる
ものなんだなあ。




「○○派」とかには属してないようです。
やっぱり超個性派なんですねえ。



絵は、癒し系ではまったくありません。
部屋に飾りたいとか全然思いません。

作者の心境をそのまま
絵にしているような作品が多いです。

「嫉妬」という絵は
よりそう男女の手前に、むかついている男の顔のアップ。
「そのまんまやん」と突っ込みをいれたくなります。

心に傷のある人がカタルシスを得るような
作品なのかなあと思いました。



ムンクは、経歴や画風から
ゴッホを連想させるところがあります。
いかにも人格不安定そうな感じ。

家族を幼いころに失い
恋愛関係でもトラブルを起こしています。
精神疾患で入院もしています。

でもゴッホと違って
80歳くらいまで生きます。
画家としては長寿です。


説明パネルに書いてある経歴をたどってみると
「不安定な自分をコントロールすることができた特異な人」なのだと思いました。

あれだけ情緒不安定な作品をたくさん書いているということは
心の中にあるドロドロを吐き出していたといえるし、
特に精神不安定な時期には、信頼できる友人の全身肖像画を描いて
お守り代わりに置いていたというし、
芸術の道を追求するためには孤独であるべき、と結婚はしなかったのですが
自分の作品を「子供たち」と呼んで自宅ではたくさんの作品に取り囲まれていたというし。




作品鑑賞中
なんだか作者と対話しているような気持ちになりました。
絵はやっぱり好きだとは思わないのですが
作者自身に興味がわきました。



晩年は明るい情緒安定系の風景画も
書いていてほっとします。

若いころは諸国を放浪していますが
46歳に帰郷して定住しています。

公共施設のホールの障壁画なども書いています。


辞世の絵的な作品を残しており
すごいなあ。