仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

‘円覚寺の至宝‘展   三井記念美術館(日本橋)

6月23日まで開催中

鎌倉 円覚寺の寺宝展です。

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円覚寺は実家から徒歩で行ける距離にあり
子供のころから馴染みの場所です。

だから一応行っておこうということで
訪れた展覧会でしたが
予想以上に有意義でした。
「三つ子の魂、百まで」を実感しました。



展示品は、工芸品、仏像、書画などの分野にわたっていました。

円覚寺を開いた僧侶 無学祖元が中国から持ってきた工芸品の中に
漆彫のものがありましたが、
それが鎌倉名物・鎌倉彫の源流だそうです。
子供のころから見慣れたものですが、歴史的経緯を知ると
新鮮な感動がありました。



他寺のものも含めて仏像も多数ありましたが
円覚寺の二像に心惹かれました。
全国に好きな仏像はいくつもありますが
今までにない感覚を覚えました。
郷愁を覚えるというか。


私は寺が好きなのは若いころですが
仏像好きになったのはここ数年です。
それは鎌倉が禅宗だからだと思っていました。
禅宗は座禅メインだから、仏像があまり前面にでてこない)

でも、実は仏像に関しても
刷り込みがあったのかも・・・・。



それから特筆すべきは、頂相彫刻です。
仏様ではなく、高位の僧侶の肖像を頂相といいます。
禅宗においては特別な意味をもつのだとか)

いろいろなお寺でお目にかかることができるものですが
あんなに数多く一堂に会しているのは初めて見ました。

仏像に比べて頂相彫刻には興味がなかったのですが
実在の人物をリアルに模しているだけに
違う魅力があるものですね。
いくつも並べて見ていると、それがわかってきました。
何でも数多くに触れないと、価値がわからないものなんだなあ。



これから行かれる方は是非
ホームページをチェックされてからが良いです。
座禅や法話ご朱印など
企画が催されていますので。






もう一つ今回、感じたことは
館長 清水眞澄氏の企画力です。

円覚寺の重要な記念年の特別展を
なぜこの館でやることになったのか、
それはきっと館長のお力によるものだと思うのです。
門外不出の寺宝がいくつも出品されていたことは
なまなかなことではないでしょう。



氏の著作を一冊読んでみましたが
内容が有意義なことはもちろん
文章が非常にわかりやすい!
学者として素晴らしい人物でいらっしゃるのでしょう。

ぜひ、直接氏の講義をうけてみたい!
この館では展覧会に合わせて講演会を行っていますが
清水氏も年に何回かは講師をされているようです。

今後はホームページを確認の上
来館したいと思います。