仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

「空中ブランコ」 奥田秀朗

 
直木賞を受賞した、精神科医伊良部シリーズ第二作。
短編5作が収録されています。
 
 
サーカスの空中ブランコ乗り、やーさん、お医者さん、プロ野球選手、女流作家
とさまざまな職業の患者さんが来ます。
 
 
 
 「空中ブランコでは、伊良部が空中ブランコの演技を披露します。
 練習中の伊良部を見ていたサーカス団員のコメント:
   「珍しい素人だね。緊張とか、恐怖心とかを置き忘れてる感じ」
   「この人、メンタル面とフィジカル面の性能差が極端なんだよなあ・・・」
 
 
 「義父のヅラ」では、患者は伊良部と大学の同期の同業者。
学生時代の伊良部の話が出ます。
二人で、歩道橋の名前を書き替えるいたずらをする所が笑えます。
「金王神社前」に一つ , (点)を入れて、違う名前にしてしまいます
 
 
 「女流作家」では、看護婦のマユミちゃんの最後のセリフがよかったです。
いつも不機嫌で無愛想な彼女がわざわざ作家を追いかけてきて
「作品がおもしろかった。」とぼそぼそと言う様子がかわいかったです