「源氏物語」 光源氏について
主人公:光源氏に対しての一般的なイメージは
私も全否定はいたしません
しかし
良いところもいろいろあるんですよ~
一度関わった女性は見捨てない。
たくさんの女性と浮き名を流した源氏ですが、えらいのは一度つきあった女性は
最後まで面倒をみる、という所です。
当時は女性は人前に姿を見せない習慣なので、
女性と一夜を共にしたあとで初めて顔を見て「ゲッ」
ということもありえた訳です。
そのパターンの末摘花でも、別宅にひきとって生活の面倒を見てあげています。
優しく、心が広い
帝の息子という高い身分に生まれながらも
苦労をしたせいか、人間ができています。
須磨に流されて帰ってきた後も、敵対していた人々に報復することなく
おさめています。
権力に執着もなく、大臣の位についても政治は他の人に任せたりしています。
思慮深く、賢明
息子夕霧の教育方針には感心しました。
当時は身分制度の世の中で、大貴族の子弟は出世コースを約束され
若い頃から高い地位につけるのですが、
源氏は息子夕霧をあえて低い地位からスタートさせ、学問を身につけさせます。
時流が悪くなった時にも生きていける実力をつけさせるため、という判断のもとです。
ある年のお正月の衣装(親族に贈る)を選んでいるとき、妻:紫の上と
「衣装はその人に似合っていることが大事」という会話を交わします。
身分や慣習の拘束が強い当時としては、ありふれた発言ではないのです。
その他物語中の各所で、芸術や学問についてたしなみ深い様子を
見せています。
女性をおっかけているだけの男ではないのですね