「家族の時代」 清水義範
ユーモラスな家族小説
法事で一族が集合した栗田家。七十七歳になる父草平、母静江との間には三人の子供、
健一郎、加寿子、美津子がいる。三人はそれぞれ結婚しており、二人ずつ子供をもうけている。
静江のいとこ瑞穂は健一郎たちにとって母親代わりと呼べる存在だ。
草平は一同に向かって、静江と離婚することを宣言した。しかし、生活は変わらずそのまま二人で
暮らし続けるのだという。父の真意が分からない子供達は反発し動揺する。そんな中
各家庭ではそれぞれの生活が続いていくのだが・・・。
草平夫婦は離婚してしまうし、ちょっとした財産家である栗田家の相続の行方に対して
子供達はそれぞれの思惑を持っています。
でも、どろどろした展開にはならず、のんびりしたムードで話は進んでいきます。
草平夫婦と子供たちの親子関係、それから健一郎たちとその子供たちとの親子関係
それぞれのエピソードが描かれます。
最後はめでたしめでたしになりますが、
家族や夫婦というものをそれぞれが考え直す機会となったのでした。
遺産相続についての豆知識がでてくるので、
財産がおありの方にはちょっと役立つかもしれません(笑)