「やまなし」 宮沢賢治
絵は遠山繁年さんです。
「クラムボンはかぷかぷわらったよ。」
というフレーズに聞き覚えのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
教科書にも載っている名作です。
「小さな谷川の底を写した二枚の青い幻燈です。」
という文で始まるこの作品は
カニの兄弟を主人公にして、川底から見た川の中の様子を描いた
詩のような美しい童話です。
にわかにパッと明るくなり、日光の黄金(きん)は夢のように水の中に降って来ました。
波から来る光の網が、底の白い磐(いわ)の上で美しくゆらゆらのびたりちぢんだり
しました。泡や小さなごみからはまっすぐな影の棒が、斜めに水の中に並んで立ちました。
やまなしは果物の梨です。川の中に落ちてきます。
クラムボンの正体は不明です。殺されてしまったようです。