仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

「ふしぎの国のアリス」 ルイス・キャロル [イギリス]

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ファンタジー童話の古典中の古典です。
この物語のキャラクターの名前は慣用句的に使われるくらい有名です。
 
さし絵はジョン・テニエルです。
イギリスで最初に出版された時のさし絵で、日本人の感覚としてはかわいい絵柄ではないのですが、
やっぱりオリジナルのこの絵のイメージが強いですね。
 
 
 
主人公の少女アリスが、「遅れてしまう」とあわてているチョッキを着たウサギを追いかけ
ウサギ穴に飛び込んだところから物語は始まります。
 
別世界にとびこんだアリスは、不可思議な出来事や珍妙な動物たちに次々遭遇します。
巨大化した自分の涙の池で泳いだり、ニヤニヤ笑いながら姿を消していくチェシャ猫と会話したり。
アリス自身に起こる不思議は体のサイズが変わること。何か飲食物を口にする度
巨大化したり縮小したり首が伸びたりします。
 
アリスはあくまで自分が現実世界の人間であることを忘れず、筋道建てて物事を考えようとしていますが
だんだんこの不思議な世界に順応していきます。
 
 
 
ナンセンスな出来事ばかりの不条理世界ですが、大人が読んでも馬鹿馬鹿しくはならないのは
物語がでたらめではなく、ある秩序を持って進んでいくからです。
キャラクターたちにも不思議な魅力があり、先を知りたくてぐいぐい引っ張られるように
読み進めてしまいます。
よく読めば、社会風刺的な要素も見えてきます。
奥の深い物語で、意外と大人が読んだ方がおもしろいのかもしれません。
 
 
文章の中には言葉遊び的表現もたくさんあり、
原文で読めればもっとその楽しさを味わえるだろうと残念です。
マザーグースなどもそうですね。
 
 
 
 
中学校の時、文化祭でししゅうの絵を出品したのですが
題材はアリスでした。
最後の、トランプの兵士たちがアリスに向かって降りかかってくる場面です。
懐かしく思い出しました。