『いけちゃんとぼく』 西原理恵子 [角川書店]
絵本のような装丁の本です。
少年の「ぼく」と、その‘ともだち’の「いけちゃん」の物語です。
幼い子供は自分の心の中に、自分だけの友だちを作り出すことがあるといいます。
いけちゃんもそんな存在なのでしょうか。
オバQのような姿をしています。
郷愁を誘われる、もの哀しい物語です。
心の中のどこか柔らかい部分が刺激されて切なくなります。
心のどの部分なのか、自分でもはっきりわからないのですが。
いけちゃんがぼくにいったこの言葉が印象に残っています。
「せかい中で 人よりはやく大人にならないといけない子供っているんだよ。
キミもその中のひとりなんだよ。」
ぼくが「子供」を卒業したときに
いけちゃんは、ぼくの下を去っていきます。