『味いちもんめ』 あべ善太・倉田よしみ [小学館]
主人公 伊橋は料理学校卒業後、新宿の料亭 藤村に勤め始める。
板前界の下っ端 追い回しから始まり修行を積み、焼き方、煮方とステップアップしてゆく。
物語は、藤村に来店する客や職場内のエピソードを中心に、伊橋のプライベートも交えながら
展開していきます。
伝統的な日本料理店の板前の世界を描いた‘男’の物語です。
日本の伝統文化の領域で、職人の仕事を描いており
常連客が大物落語家だったりもして
私好みの要素の多い作品です。
人情物時代小説的でちょっと説教くさい所はありますが、暖かい雰囲気で読後感の良い作品です。
池波正太郎的 「男」の世界がお好きな方にお勧め。
ただし、途中で本来の原作者死去のため、原作者が交代しており
それからはややファミリー向けな作風に変わっています。
現在連載中のシリーズは「独立編」
伊橋が店の主(雇われだけど)として采配をふるっています。