『ながたんと青と』 磯谷友紀 (講談社)
舞台は昭和26年、終戦後数年たった京都
主人公 いち日(いちか)は、料亭の娘
結婚間もない夫を戦争で亡くし、ホテルの調理場(洋食)で料理人として働く。
料亭の後継ぎは妹となり
婿養子をもらうはずだったが妹は駆け落ちし、
その結婚がいち日にまわってくる。
19歳の婿 周 あまねを迎えた34歳のいち日、
周は大阪のホテル経営者の息子で
料亭のっとりを目的とした結婚であるらしい・・?
題名は「包丁と青とうがらし」という意味
いち日
周
いち日は料亭存続のための契約結婚のようなつもりでいるが
周の気持ちがそうでもないようで・・。
二人の関係の行方が一つの楽しみです。
あとはもちろん料理です。
いち日はレストランの料理人をしつつ
家での家事・仕事としては和食を作ります。
いろいろな料理が調理され食されるシーンが出てきて
おいしそうです。
それから舞台設定的に
昭和レトロな京都が楽しめます。
ちゃぶ台に並んでお食事。
囲炉裏に鉄瓶をかけてお湯を沸かしたりもします。
それ以来は複数の雑誌に作品を連載しています。
趣味の世界をしっかり持っている人物のようで
各作品に広がる世界観が楽しめます。
地味な感じの作家さんが、着実に人気をのばし
漫画界に地位を作っていくのは
漫画ファンとしてうれしいです。
人気が継続するのは
独自の世界を持つ(=知性のある)作家さんですね。
ネタの引出が一つしかない作家は
違う作品でも同じネタの焼き回しになっていて
飽きられてしまいます。