`桃源郷展‘ 大倉集古館(六本木)
副題は「蕪村・呉春が夢見たもの」
大倉集古館は、ホテルオークラ東京にあります。
改築工事のため、4年ほど休館していました。
この建物自体が文化財です。
この館は以前に行ったことがありますが、良い印象はなかったです。
今回の特別展も「呉春ってだれ?」って感じで興味はひかれませんでしたが
同時開催の名品展で、国宝の普賢菩薩像や古今和歌集序を見たかったので
リニューアルに期待して訪れました。
が。
まず設備として不適切でした。
建物が極小住宅みたいな、小さくて細長い造りなのは仕方ないのですが
(文化財だから勝手に増築できない)
外からの出入り口、チケット売り場・受付、エレベーターがすべて
鑑賞フロア内にあるんです。
まさに極小住宅。
玄関開けたらすぐリビングで、階段もトイレもリビング内にある、みたいな。
しかもエレベーターは動くたびに音声ガイド
「こちら側のドアが閉まります。」「上へ参ります」
フロアのどこにいても、その音声が響いてくるのです。
鑑賞者のためにも作品保存のためにも不適切です。
ハード面がダメならソフト面は?
「あの呉春が初公開」みたいな宣伝してるので
私が知らないだけですごい画家なのかと思いましたが
見ても特別感銘は受けません。
説明文を読んで理解を深めようとしましたが
なぜか読むほどに興ざめしていきます。
(あまりないことです)
私の好きな速水御舟の絵も一つあったのですが
感心しない。
これって偽物じゃないの?と思うくらい。
山種美術館で何度も見ているけど感動しなかったことはないのに。
結論:「名前の通りの館なのだ」
美術館ではなく「集古館」
古いものが保管してある場所
だと思えばいいのでしょうか。
収蔵作品には価値あるものがあるし。
そういえば他の館で
同様に「美術館」という名前ではなく
大企業のおまけみたいにやってる所で
ここに近い感想を持ったことがあります。
そんなものなのかな~。