仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

『アルテ』   大久保圭 (徳間書店)

月刊コミックスゼノンに連載中

 

舞台は、16世紀初頭ルネッサンス期のイタリア・フィレンチェ

主人公は貴族出身で画家を目指す女の子 アルテ

 

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         スタート時は16歳

 

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   最新刊 11巻ではスタート時から数年たち、大人びています。

     背後にいるのはコルティジャーナの ヴェロニカ

     

 

まず外国の歴史物語として楽しめます。

女性の権利が無い時代で

結婚できなければ修道院に行くしか人生の選択肢がない。

財産の相続権もなく、男兄弟のいない娘は父親が死んだら

財産は父方の親族に取られてしまう。

 

貴族の娘が職業画家を目指すなんてありえない時代に

父を亡くしたアルテが苦闘しながら画家へと成長していきます。

 

 

コルティジャーナ(高級娼婦)、貴族の娘、庶民の家の女の子、王女など

様々な階層の女の子が出てきて

女性の権利について考えさせられます。

 

 

 

基本ストーリーは主人公アルテの成長物語です。

前向きで明るく素直な努力家の女の子で

応援したくなります。

 

画家を目指して弟子入り志望の工房めぐりをしますが

女を受け入れる工房はなく

最後にたどり着いたのは、偏屈もののおじさんレオの工房。

弟子をとらず親方一人で工房を営むレオも

アルテの弟子入りを断るつもりだったが

熱意に負けて受け入れます。

 

                レオ親方

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ツンデレ系のレオは、ぶっきらぼうで顔が怖いおじさんですが

弟子と認めたアルテを大きな愛情で導いていきます。

 

そして当然のようにアルテはレオを好きになります。

仕事へ打ち込むために、レオに対して気持ちを秘めています。

この二人の行方がサイドストーリーかな。

 

 

 

 

サブの女の子キャラもそれぞれ個性があって魅力的です。

私が好きなのはコルティジャーナ ヴェロニカさん。

 

 

`秋の優品展 筆墨の躍動‘    五島美術館(世田谷)

10月20日まで開催中

 

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墨と筆で書かれた作品、水墨画や書などを

日本・中国、古典から現代まで

取り揃えていました。

 

時代やジャンルをまたがった企画は

主催者の力量が問われるものだと思います。

下手をすると、バラバラの作品が並んでいるだけの

統一感のない展示になってしまうので。

 

この会は落ち着いて楽しむことができました。

ジャンルや時代はバラバラともいえるのですが

すべての作品の底流にある趣味や見識が統一されているからなのでしょう。

 

 

展示室1の壁に沿った展示はこの企画展の作品なのですが

部屋中央のショーケースは茶道の陶磁器が並んでいます。

不思議と違和感がありません。

さりげなく関連付けた展示がしてあるからかな。

 

 

展示室2は別企画です。

大東急記念文庫の記念展示で

書誌学の研究者のコレクションの古書が

並んでいました。

 

最近、古書方面にも興味が出てきたので

楽しめました。

 

こちらも筆・墨つながりかな。

 

 

 

 

五島美術館もなかなか良い館なのですが

来ることは多くないです。

都内のメジャーな美術館からは離れた場所にあるので

ついでには来にくい。

 

あと、マイナスとしては

館内のカフェがない。

と思っていたら

受付に周辺の飲食店を紹介したチラシが

置いてありました。

(当日なら美術館再入場可と注記あり。)

 

館内カフェを作るのは難しいのでしょうけど

できる所で気配りしてくれるのがうれしいものです。

`桃源郷展‘   大倉集古館(六本木)

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副題は「蕪村・呉春が夢見たもの」

 

大倉集古館は、ホテルオークラ東京にあります。

改築工事のため、4年ほど休館していました。

 

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           この建物自体が文化財です。

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この館は以前に行ったことがありますが、良い印象はなかったです。

今回の特別展も「呉春ってだれ?」って感じで興味はひかれませんでしたが

同時開催の名品展で、国宝の普賢菩薩像や古今和歌集序を見たかったので

リニューアルに期待して訪れました。

が。

 

 

まず設備として不適切でした。

建物が極小住宅みたいな、小さくて細長い造りなのは仕方ないのですが

文化財だから勝手に増築できない)

外からの出入り口、チケット売り場・受付、エレベーターがすべて

鑑賞フロア内にあるんです。

まさに極小住宅。

玄関開けたらすぐリビングで、階段もトイレもリビング内にある、みたいな。

 

しかもエレベーターは動くたびに音声ガイド

「こちら側のドアが閉まります。」「上へ参ります」

フロアのどこにいても、その音声が響いてくるのです。

 

鑑賞者のためにも作品保存のためにも不適切です。

 

 

ハード面がダメならソフト面は?

 

「あの呉春が初公開」みたいな宣伝してるので

私が知らないだけですごい画家なのかと思いましたが

見ても特別感銘は受けません。

説明文を読んで理解を深めようとしましたが

なぜか読むほどに興ざめしていきます。

(あまりないことです)

 

私の好きな速水御舟の絵も一つあったのですが

感心しない。

これって偽物じゃないの?と思うくらい。

山種美術館で何度も見ているけど感動しなかったことはないのに。

 

 

 

結論:「名前の通りの館なのだ」

美術館ではなく「集古館」

古いものが保管してある場所

だと思えばいいのでしょうか。

収蔵作品には価値あるものがあるし。

 

 

そういえば他の館で

同様に「美術館」という名前ではなく

大企業のおまけみたいにやってる所で

ここに近い感想を持ったことがあります。

そんなものなのかな~。

 

 

 

 

インスタ映え?

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江ノ島のてっぺんあたりのカフェで。

 

 

今年、かき氷を食べていなかったので

夏の思い出にと注文。

 

ごくふつーの、白ご飯の山盛りのようなスタイルの

かき氷をイメージしていたら

予想外の物体が現れたので驚きました。

 

スキー場の雪のような美しい形状でした。

なるほどお金を出して食べる甲斐があります。

 

 

「これがインスタ映え?」

と思って撮影してみました。

 

普段、飲食店で写真を撮る習慣がないので

ヘタですね。

慣れている方なら、もっとかっこいい写真になるのかな。

 

 

 

 

 

☆ はてなスター、ありがとうございます。

はてなブログからお知らせメールが来ました。

☆がもらえた、とのこと。

 

ありがとうございます。

 

 

どのように反応を返せばいいのか

わからないのですが。

 

 

 

はてなブログに引っ越してきてまもないので

システムがよくわかりません。

 

いろいろお役立ちの機能があると思うのですが。

 

 

 

 

 

 

 

この夏は、IT・機械音痴の私には

重い課題を二つ片づけました。

 

ブログの移転と携帯電話の買い替えです。

よくがんばりました!!!(←私)

 

ガラケーをやめたくなくて

古いのを使い続けていましたがバッテリーが

いよいよ寿命で。

 

新しいのはガラホです。

LINEもできるようですが使いません。

先日、「つながってる人のLINEの情報流失で、自分の情報も抜かれることがある」

という話を聞き

絶対にやらないぞという思いを新たにしました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‘奥の細道 330年  芭蕉‘展     出光美術館(日比谷)

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 本日から9月29日まで開催の展覧会です。

 

 

江戸時代の俳人 松尾芭蕉の特集です。

 

芭蕉の直筆書画や、芭蕉に連なる人々の作品など

芭蕉・俳句ファンにお勧めの会です。

 

 

 

芭蕉の直筆って、けっこう残ってるものなんですね。

 

後代にもいろいろ影響を与えていて

芭蕉はやっぱりすごいんだなあ。

 

奥の細道」の旅は平安の歌人 西行の足跡をたどるためのものだった

と今更のように知りました。

 

 

 

俳句の書画というのは、普通の日本画や日本の書とは

異なるジャンルです。

ヘタ上手というか癒し系というか。

 

 

 

 

説明パネルから学んだこともあります。

「和歌は雅。俳諧は俗、滑稽を旨とする」

 

以前に和歌と俳句の違いはなんだろうと考えたことがあります。

非常に明快な解答を得ました。

和歌は上流階級、俳句は庶民とも言い換えられるかな。

 

現代でも「地域の俳句」投稿ポストを街中で見かけたりします。

サラリーマン川柳などもあるし。

やっぱり和歌ではだれでも気軽に、とはいかないのでしょうね。

 

 

‘大観・春草・玉堂・龍子 ー日本画のパイオニアー‘展   山種美術館  (恵比寿)

 

 

 

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今日から開催の展覧会です。


横山大観菱田春草川合玉堂川端龍子

の4人を取り上げた作品展です。

 

4人の作品を等分に展示していたような感じです。

複数の画家を比較するような観方になり

特徴がわかりやすかったです。

 

 

菱田春草は若くして亡くなったので

自分の個性を確立する段階まで

行かなかったように感じました。

 

 

川合玉堂は、日本的な抒情性の高い風景画です。

小さく人物も入っていて、日本の伝統的絵画らしい。

癒し系でほのぼのと美しい絵です。

東山魁夷速水御舟をちょっと連想しました。

 

 

川端龍子は画壇の主流からはみ出した存在だったそうです。

既成の概念を打ち砕くような個性ある作品です。

 

しかし、古典的・伝統的というのは

一定の期間、不特定多数の支持を得た

最大公約数的な嗜好を表すわけで、

そこから外れようとすると、万人受けする作品には

成り難いものだと感じました。

 

 

横山大観は近代日本画家の大物なのですが。

掲示していた「画家の言葉」を読んだら

「説教くさ~」と思ってしまいました。

前の展覧会の速水御舟の「言葉」は素晴らしい!とうっとりしたのに

何故か?

 

御舟は常に自分と向き合い、自己研鑽を死ぬまで怠らなかった人物で、

そして大観の「言葉」は他人に対しての要求だから、説教だと感じたようです。

 

大観の代表作と言えば

お日様をバックにした富士山なんですけど

説明パネルの「本居宣長の有名な和歌(しきしまの~)を

モチーフにして描いた」という文を読んだら

「右翼・・」としか思えなくなってしまいました・・。