仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

鎌倉宮(大塔宮)    二階堂

鶴岡八幡宮ほどではありませんが

大きめの神社です。

ひなびた感じでくつろげます。

 

 

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          門前にはヒガンザクラが花開いていました。

            春の訪れを予感させます。

 

 

 

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              社務所

        ご朱印は数種類いただけますが

       「神鹿」というのがあって

        それはこのお社に以前、鹿がいたからなんだとか。    

    

        こちらのお守り類はオリジナルな品があって

        なかなか興味を惹かれます。

        清めの塩など、実用的なものもあります。 

 

 

 

 

 

 

 

 

こちらが一番オリジナル。

厄除けのための儀式。

 

左側のテーブルに積んである皿(カワラケ)に

息(自分の厄)を吹き付け、

右側の岩に投げつける。

皿が割れることで厄が去っていくという流れ。

 

皿を投げつけて割るという行為自体がストレス解消だし

スカッとします。

 

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御祈祷となると費用もかかるし

なかなか受けられませんが

こちらは気軽に自分でできます。

 

確実に効果を感じられます(^^)

 

 

 

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境内の表示がこんな感じです。

手作り運営のアットホーム感が良いな。

 

障子紙貼りの灯籠がいくつか立っていましたが

絵は地元の小学生が描いたらしいものでした。

上手くないし、絵の内容も???というのもありましたが

ほほえましくて和みます。

‘十二月大歌舞伎‘   歌舞伎座(銀座)

 

 

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昼の部を見ました。

 

芝居「たぬき」

舞踊「保名やすな」

芝居「壇浦兜軍記 阿古屋あこや」

 

 

 

役者さんで知ってるのは

保名役の坂東玉三郎だけでしたが

それだけでも十分楽しみでした。

 

「たぬき」の主役の市川中車香川照之であることに

気づいたのは終わるころでした。

 

「たぬき」の作者は大佛次郎で明治以降の近代の作品です。

セリフが現代日本語に近いので、ストーリーはわかりました。

物語の主題がやっぱり近代だなと思いました。

有名な江戸物作品とは違うようです。

香川照之に合うのはこちらの系統の作品なのかな。

 

 

舞踊は20分くらいの演目なのですが

時間中、玉三郎にくぎ付け。

濃い20分間でした。

これだけ見て帰っても満足なくらいです。

 

 

 

三幕目の芝居の「阿古屋」は

女形の大役に若手を起用したという演目だそうです。

うとうとしながら見てました。

主役阿古屋が楽器3種を演奏するのが見どころなので

BGM付で優雅な午睡を楽しみました。

 

 

 

 

歌舞伎座観劇の特徴は

客席での飲食可なこと。

芸術鑑賞というより娯楽を楽しむ気分です。

 

お弁当も幕間に客席で食べました。

インターネット予約したお弁当でしたが

やっぱり一味違いました。

 

土産物屋もいくつもあり、

観劇の前後も楽しめます。

 

歌舞伎というより歌舞伎座にはまる方の

気持ちがわかりました。

 

 

チケットはやっぱり高価です。

安い立ち見席もあるのですが

試しにちょっとだけとか、専門的に演劇鑑賞するのでなければ

通常の席で楽しむのがよいと思います。

 

 

 

‘本のかたち 本のこころ‘展   国文学研究資料館(東京 立川)

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12月14日まで開催中

無料です!

 

学術プラザという大きな公的建物の中の一室でした。

日本の古典書籍の展示企画です。

 

 

一般向けの美術館ではなく、基本、研究者向けの施設なので

堅苦しいかもと思いつつ、行ってみましたが

なかなか面白かったです。

 

一般の方も興味を持てるように

企画や説明を工夫しているなと思いました。

パンフレットも無料でもらえるのがすごい。

 

日本の古典に興味のある方なら

楽しめるのではないでしょうか。

パンフレットもよくできているので

あとでゆっくり反芻することもできます。

 

 

多彩な内容でした。

私が面白いと思ったのは

白紙に筆で書く時、行をそろえるために

針で穴をあけたり折り目を付けたりしていたということ。

昔の人は罫線なしでも文をまっすぐ書けてすごい

と思っていたけど、裏ワザがあったんですねえ。

 

 

無料だしお勧めなのですが

立川は23区外で、神奈川からだと

ちょっと距離がありました。

‘東山魁夷の青 奥田元宋の赤  色で読み解く日本画‘展    山種美術館(恵比寿)

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12月22日まで開催中。

色をテーマにした特集展です。

 

会場がいつもとはちょっと違う雰囲気を醸し出していて

楽しかったです。

 

 

日本画の絵の具の見本(本物)や

絵の道具も展示してありました。

絵の具と絵の色を比べて見たりして面白かったです。

岩絵の具って本当に岩(鉱石)を砕いて作るんですねえ。

 

絵を見るだけでなく、描く方にも興味がある方にお勧めします。

 

見ていて一つ思ったのは

出典が山種美術館のコンクール入賞作である作品があるということ。

こちらの館では毎年のように

日本画の新人?作家を対象にしたコンクールを開催しています。

 

そういう美術館はなかなかないように思います。

美術品を保管展示するだけでなく

これからの美術界を育てて行こうという姿勢が素晴らしい。

 

 

 

 

今年は当館広尾開館10周年ということで

一年間の全展の通しチケットが販売されたのを手に入れ

残り一回を残して皆勤しました。

 

残り一回は展示企画が変わったので

払い戻しをさせていただきました。

正直、がっかりというよりほっとしました。

 

好きなものでも続けて食べると飽きるものなんだなあ。

来て見たら満足して帰れるんですけど。

やっぱり好みには合うので。

 

10周年、おめでとうございます。

さらなるご発展をお祈りしています。

また利用させていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

‘特別展 茶の湯の名碗 高麗茶碗‘    三井記念美術館(日本橋)

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12月1日まで開催中

 

茶道具のお茶碗の中の

高麗(朝鮮)製のものの特集展です。

 

玄人、茶人、通の方にお勧めです。

(広く一般にはお勧めでない・・・)

 

 

茶道具の展覧会自体が趣味の方にしか

お勧めしないのですが

この展覧会は、その中でもマニアックというか。

 

興味がない人が見たらきっと

「全部同じじゃん!」と言うことでしょう。

 

 

 

見ておられるお客さんはうっとりされてました。

(マニアの集まりだ・・・。)

 

おたくを自称する私でも

最後の方は眠くなりました。

この会の品々の違いを最後まで楽しめる方は

よっぽどの趣味人に違いない。

 

 

ちなみにこちらの館の展示会場は

第一会場がメインのようで

ソロコーナー(一つのショーケースに1、2品の展示)になってます。

おそらくこちらに各部門の一番良い品を展示していると思うので

第一会場をしっかり満喫して

第二会場以降は流す、という鑑賞の仕方もありかと思います。

 

 

 

「下流の宴」  林真理子   (文春文庫)

格差社会を描いた社会派小説、

というには軽いかな。

 

楽しく読めるので

肩肘はらずに社会的問題について考えてみるのに

良いと思います。

 

 

主人公 珠緒は沖縄の離島出身 22歳、

高校卒業後、東京でフリーターをしている。

オンラインゲームで出あった二歳下の高校中退、

フリーターの翔と同棲を始め、結婚を考える。

 

翔の母 由美子は、中流家庭の専業主婦ながら

階級意識が強く、珠緒を見下し結婚には断固反対。

珠緒は由美子への反発心から

医者になることを決意し、医大合格を目指して猛勉強を始める・・。

 

 

 

ストーリー展開にはやや無理がありますが

細部にはリアリティがあるので、つまづかずに読み進められます。

たとえば、珠緒は沖縄の上位高校の出身で勉強は嫌いではなかったという設定。

 

数年前にベストセラーになった「ビリギャル」が罪深いと思うのは

元々能力の低い子供に無用な期待を持たせたこと。

あの女の子はグレていた時期はあったようですが

元々学力はあったそうです。

だから一時ドロップアウトとしてもリカバリーができたのでしょう。

 

それから受験勉強のプロがついて指導を行った所。

高卒フリーターが独学で医大合格ではリアリティがなさすぎる。

受験マンガのバイブル「ドラゴン桜」でも

受験指導のプロが何人もついたおかげで

東大合格できたわけで。

 

 

 

それから家庭の教育力について考えさせられます。

珠緒の母 洋子は肝っ玉母さんで良いキャラです。

学歴はなく、由美子のいう「下流家庭」だけれども

人生観や人間への見識は骨太で

子供に生きる力を育てています。

 

翔の母 由美子はいわゆる教育ママで

娘と息子に手をかけて育てたにも関わらず

二人とも不本意な人生を送りつつあります。

 

学歴だけあっても意味がないのは確かで

勉学を実生活に結びつけられなければ仕方がない。

翔にはその力が育っていません。

彼は一生フリーターで良いと言い切ります。

年を取ったら健康を損ねるのでバイト暮らしは続けられないとか、

健康保険証を使えるのは親が保険料を払っているからとか、

バイトでは賃貸住宅を借りれず実家がなければ住む家がないとか、

を考えられないのです。

姉の可奈にも人生を現実的に見通す力がありません。

 

 

受験指導のプロ 島田が作中で主張することは

「大学を出たほうが人生の選択肢が広がる」ということです。

まったく同感です。

ただし、fランクの大学に行くよりは専門学校で資格を取った方がよいと思いますが。

 

 

数年前の作者のベストセラー新書「野心のすすめ」の

小説版なのかな、というのが感想です。

 

 

‘古筆招来  高野切・寸松庵色紙・石山切‘    遠山記念館(埼玉・川島町)

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10月20日まで開催中

 

日本のかなの書の高名な作品の企画展です。

 

かなの書にくわしくはないのですが

名前を聞いただけですごい作品が集まるようなので

行ってまいりました。

 

 

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「切」というのは、もともと一冊の巻物だった書を

切って一枚ずつに分けたものです。

この展覧会は、バラバラになってしまった切を何枚かずつ集めて

一堂に会するというレアな企画のようです。

 

 

かなの書は漢字の書よりも

もっと難しくマニアな世界だと思いますが

やっぱり第一級の作品は違いを感じます。

書はもちろんのこと、表装(掛け軸)も素晴らしかったです。

 

日本の書作品でも漢字の方が多いと思いますが

やっぱりかなの方が日本の美がより凝縮されているのではないでしょうか。

 

 

かなの書に興味のある方に

お勧めです。

 

 

でも、この館は行くのが大変でした!

埼玉県外から遠いのはともかく

最寄駅からのバスが1,2時間に一本で

バス停からの道が難しいです。(館の周辺は田んぼと民家で、目印がない)

地図持参で行かないと、まず迷います。

車で来るしかないという立地条件でした。

 

館内にも周辺にも飲食施設はないです。

(飲み物の自販機はあった)

館内は飲食禁止で、昼食は持参して

屋外の屋根つきの休憩場所で食べるしかないです。

 

 

 

 

戦前の富豪が作った屋敷と美術品の保存公開を目的とした

施設です。

屋敷内も見学できて、広くて足を踏み入れられる部屋が多いので

ゆっくり座って庭を眺めてくつろげると思います。

庭を歩くこともできます。

 

しかし、バスの時間に縛られます。

一本逃すと次は二時間後だったりしますから。

 

車で来られる方にお勧めです。

 

 

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