「和菓子のアン」「アンと青春」 坂木司 (光文社文庫)
和菓子店を舞台にした日常ミステリーシリーズ
連作短編集
主人公(通称)アンちゃんは、高校卒業したての女子。
進学も就職も決まらなかった彼女は、都心のデパートの和菓子店で
アルバイトを始めた。
個性ある同僚に囲まれ仕事に励みつつ、身の回りに起こる謎を解いていく・・・
お客さんやお店にかかわる謎を解くほのぼのミステリー
毎回、おいしそうな和菓子がでてくるので
和菓子好きな方にお勧め。
それから若者の成長ストーリー的側面もあります。
主人公アンちゃんは誰からも敵視されない良い人で
かわいいのです。
謎解きも毎回自然で面白いし
良い作品なのですが
キャラ設定が凝りすぎなんですよね~。
中高生向きの漫画やラノベかという感じ。
良い年齢の読者の私にはちょっとつらい。
同僚の立花君が乙女男子なのや、桜井さんが元ヤンなのは
良いとしても。
有能店長の椿さんに婚約者を亡くした過去があり、
投資マニアでかわいい女の子好きの中身おっさんで、
服の趣味がすさまじく悪い、
というのは盛り過ぎと思います。
ストーリー進行上必要ないし。
それから、これってどうなの?って思っちゃうのが
主人公アンちゃんのコンプレックス。
彼女は背が低くてLサイズという容貌のせいで
若い男性が苦手。
子供のころからからかわれ続けたことが原因で。
でも顔は普通で、人当りよく誰からも嫌われないタイプ。
これが接客業には有利な長所と描かれています。
激しいいじめを受けていたわけでもなく
年長者からは受けがよく
対人関係全般はうまくやれるタイプなのに
なんでそこまで男性にコンプレックスを持つのか
というところがイマイチ腑に落ちません。
年ごろのお嬢さんはそんなものでしょうか。
このシリーズのタイトルは「赤毛のアン」をもじっています。
赤毛のアンは8巻くらいまで続くのですが
そこまでいけるかどうか、楽しみです。
立花さんの恋の行方が気がかり。