仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

2010-07-01から1ヶ月間の記事一覧

「敦煌(トンコウ)」 井上靖

敦煌文献(1900年に中国の敦煌市の洞窟で発見された11世紀以前の文書群)の謎を 主題とした歴史小説。 終着点は先に定まっていて、それに向かって物語が動いていくという壮大なロマン。 主人公趙行徳(チョウギョウトク)は、進士試験(科挙)を受けるために…

遠藤淑子 『天使ですよ』

白泉社漫画文庫からコミックスが出ています。読みきり短編集です。 独特の作風をもち、読みきりのコメディを多く描いている作家さんです。 シリアス物も時々書きます。 この方の作風を一言で言うと、 おとぼけたお笑いの中に人生訓が隠れている といったとこ…

「蝉しぐれ」 藤沢周平

江戸時代の海坂藩という藩を舞台にした時代小説です。 内容は、少年の成長を描いた青春物であり、藩内の権力抗争あり、剣術の修行あり、恋物語あり と、もりだくさんです。 時代小説は男性の読者が多いものだと思いますが、この作品は女性にもお薦めしたいで…

「点と線」 松本清張

社会派ミステリーという新しいジャンルの先駆けとなり、推理小説ブームをまきおこした名作。 九州博多近くの海岸で、心中と見られる男女二人の死体が発見された。 女は東京の料亭の女中。男はさる省庁の役人(課長補佐)。 男の属する課は目下 汚職事件の捜…

「ちいさいモモちゃん」 松谷みよ子

児童文学のベストセラーシリーズです。 作者 松谷さんのご家庭をモデルにした物語です。 【全6巻】 ,舛い気ぅ皀發舛磴鵝 ´◆.皀發舛磴鵑肇廖次 ´ モモちゃんとアカネちゃん ぁ,舛い気ぅ▲ネちゃん ゥ▲ネちゃんとお客さんのパパ Α.▲ネちゃんのなみだの海 …

桑田乃梨子 『一陽来福』

白泉社漫画文庫からコミックスが出ています。 桑田さんは、独特の味のあるギャグ漫画家さんです。 読みきり、ショート、エッセイなど短い作品をいろいろ描いています。 「一陽来福」は一児の父である高校生のお話。 坂崎渉(ワタル)は和(ナゴム)という息子をも…

『天然コケッコー』 くらもちふさこ

集英社の女性誌「コーラス」に長期連載していたカントリー・アットホーム・ドラマ。 集英社漫画文庫からコミックスが出ています。 主人公 そよ は小さな村に住む中学生。美人だが(自覚ナシ)、方言バリバリで天然な性格。 東京からの転校生 大沢くんがやっ…

ここは、どこ?

----トイレの前です。 横浜ルミネの女子トイレの前の壁です。 夏のバーゲン参戦のため、何ヶ月ぶりかで行きましたら いきなりトイレがリニューアルされていてびっくりしました。 中もおしゃれな喫茶店のようなインテリアです。 トイレ・エレベーターの中では…

自転車の傘差し台の反響

先日、マイ自転車に取り付けた傘を差す台ですが、 街を走っていて、周囲の人の視線を感じることが何回かありました。 やっぱりものめずらしいですよね。 今日はとうとう、駐輪場で見知らぬおじさんに 「どこで買ったんですか」と問いかけられました。 「便利…

山口美由紀

白泉社の雑誌で長年描いている少女漫画家さんです。 ファンタジーや童話のような、夢のある暖かな作風です。 夢多き乙女にぴったり(笑) 絵もきれいで優しいです。ついでに字もうまい。 カラーイラストがとても美しく、飾っておきたいくらいです。 漫画だけ…

投票してきました。

本日、参院選 投開票日です。 会場では、デッキを置いて音楽を流していました。 昔からそんなことやってたかしら。 選曲には規制があるのかな。 まさか、ジャニーズとか流せないでしょうし(笑) うちの方は、曇り時々雨という天候でした。 曇りの日が一番、…

星 新一 「ノックの音が」

星 新一さんは、ショートショート形式の第一人者であるSF作家。 1001編を超える作品を生み出しました。 「ノックの音が」はすべて 「ノックの音がした。」 の文で始まる15編のショートショート集です。 ある部屋にある人物がいて、そこへ別の人物が訪…

「砂の女」 安部公房

二十数ヶ国で翻訳されている名作です。 昆虫採集のため砂丘に出かけた男が行方不明になる。 男は砂丘の部落の家に監禁され、労働させられることになったのだ。 知恵をしぼり脱走を図る男だが、失敗を繰り返す。 その部落は海際に位置し、家々は常に砂丘に侵…

ゴールドクレストくん、ごめんなさい!

暑いので窓を開放しています。 そしたら風にまくられたカーテンが窓際の物をはらって ゴールドクレストくんが台から落ち、ぽっきり折れてしまいました~ 根元に近い方が折れちゃってショック・・・・ 針金で巻いてはみたけど、くっついてくれないかなあ 根っ…

「変身」 カフカ 〔ドイツ・チェコ〕

1910年代(大正期)の、実存主義の先駆をなす傑作といわれる文学です。 人が虫に変身する話なのですが、SFでもファンタジーでもありません。 冒頭の文を引用します。 ある朝、グレーゴル・ザムザがなにか気がかりな夢から目をさますと、自分が寝床の中で…

『西洋骨董洋菓子店(セイヨウコットウヨウガシテン)』  よしながふみ

新書館からコミックスが文庫版で出ています。 アニメ、ドラマにもなりました。 「アンティーク」は深夜2時まで営業のパティスリー。 店員さんはイケメンぞろい。ケーキは超一流の味。 名前の通り、お店のインテリアはアンティークで、 イートインすると素敵…

「西遊記」 呉承恩 〔中国〕

ご存知、孫悟空の冒険アクションストーリー。元祖ロールプレイング・ファンタジーって感じです(笑) 中国、唐の時代、三蔵法師が経巻を得るために、孫悟空・猪八戒・沙悟浄を供にして 天竺(インド)を目指して旅をする。途中には妖怪などさまざまな障害が…

「家族八景」 筒井康隆

8編収録の連作短編集です。 主人公 七瀬は家政婦。住み込みであちこちの家庭を渡り歩いている。 若くてきれいな彼女がこんな仕事をしている理由は、テレパス(他人の心の中を読み取れる 超能力者)であること。正体を見抜かれないために、定住を避けている…

「文鳥・夢十夜」 夏目漱石

新潮文庫から420円で出ています。 「小品」7編が収録されています。 短編小説と随筆の中間のようなジャンル 「文鳥」「夢十夜」「永日小品」「思い出す事など」「ケーベル先生」「変な音」「手紙」 「夢十夜」 タイトル通り、第一夜から第十夜までの十日…

『ときめきトゥナイト』 池野恋

集英社の少女誌「りぼん」に連載していた、ファンタジー・ラブ・ストーりー 1982年から、30巻も続いたロングラン連載。 当時の女の子はみんな知っていたでしょう、大ヒット作 主人公:江藤蘭世(えとうらんぜ)は吸血鬼の父、狼女の母を持つ魔界人だが…

「モモ」 ミヒャエル・エンデ 〔ドイツ〕

一昔前に大ヒットした「時間」をテーマにしたファンタジーです。映画にもなりました。 ある町の劇場の廃墟にモモという女の子が住み着きました。 しばらくしたら、町の人にとってモモはなくてはならない存在になりました。 なぜならモモは「相手の話を聞くこ…

ベイスターズ・マート

佐藤多佳子さんの小説「一瞬の風になれ」の 陸上部員 根岸くんの家はホエールズ・マートというお店(コンビニ?)をやっています。 プロ野球の横浜大洋ホエールズのグループ企業のチェーンかと思われる店です。 神奈川県民でも知らない人の方が多いんじゃな…

『原色宝石図鑑』 藤田 律

集英社の女性誌「コーラス」掲載のオムニバスストーリー 宝石の訪問販売のカリスマセールスマン孤野は毎月ダントツの売り上げを誇る。 彼の武器は甘いルックスと極上のセールストーク。 毎回、違うお客さんが宝石を買っています。 宝石が嫌いだという女性は…

「大どろぼうホッツェンプロッツ」 プロイスラー 〔ドイツ〕

ドイツの、どろぼうさんの物語です。 シリーズ全3作。 「大どろぼうホッツェンプロッツふたたびあらわる」「大どろぼうホッツェンプロッツ三たびあらわる」 さし絵も作者によるものです。 カスパールとゼッペルの少年二人は、おばあさんとの三人暮らし。 あ…

参院選、一週間前

駅前では、チラシ配りや演説。 家にいると、選挙カーのアナウンス〓 選挙運動たけなわですね~ みなさま、もう投票先はお決まりでしょうか。 もうすでに済ませたという方もいらっしゃるかな。 昔より、不在者投票がしやすくなりましたよねぇ。 YAHOOで面白い…

「一瞬の風になれ」 佐藤多佳子

神奈川県の公立高校の陸上部を舞台にした、青春スポーツ小説。 本屋大賞受賞、ドラマ・漫画化もした大ヒット作です。 サッカー少年の神谷新二は、スター選手の兄健一に比べて力が伸びないことに悩み、 サッカーをやめてしまう。春野台高校に進学後、陸上の全…

「兎の眼」 灰谷健次郎

灰谷氏のデビュー作(1974年)で代表作。 大阪の工業地帯の小学校が舞台。 新任(女性)のかわいい小谷先生、教員ヤクザと呼ばれる足立先生などの教師たち。 学校に隣接するゴミ処理所の長屋の子どもたちなどのさまざまな児童。 そして児童の父兄たち。 …

「春琴抄(しゅんきんしょう)」 谷崎潤一郎

「純文学なんて、退屈でつまらない」とお思いの方にお勧めしたい佳作です。 時代は明治の初め、大阪の裕福な商人の令嬢春琴とその使用人佐助の物語。 春琴は幼いころに視力を失くす。琴・三味線の稽古に通う春琴に佐助がつきそうように なったことから二人の…

風鈴~

まだ梅雨はあけていませんが、 七月に入ったので、風鈴を出しました。 ついでに携帯の着メロも、風鈴の音にしました。

「赤ひげ診療譚」 山本周五郎

慣用句として使われている「赤ひげ」という言葉の元になった名作です。 江戸の小石川療養所が舞台。 大望をいだく青年医師 保本登(やすもとのぼる)は長崎留学後、不本意に療養所の医師見習いにされる。 ふてくされてサボタージュしていた登だが、医長 新出…