仁美のヒトミ

趣味(読書、芸術鑑賞)の記録を主に、日々の雑感などをつづります。

本/ノン・フィクション

「ISLAM イスラーム」 ポール・ランディ  [ネコ・パブリッシング]

「この一冊でイスラームのすべてが見える」という副題。 まさにその通りの本です。 実際生活上、イスラームを理解する必要があるという方に 是非お勧めします。 オールカラーで写真や図が多く、 社会科の資料集みたいで、とてもわかりやすいです。 歴史的物…

「コーラン」  井筒俊彦:訳       岩波文庫

イスラム教の聖典です。上中下の三巻 開祖(で正しいのかな?)ムハンマドが アッラー(神)から下されたお告げをまとめたもの 正しくは「訳」ではなく「解釈」と呼ぶべきかな。 コーラン(クルアーン)は元のアラビア語で読むべきもので 他の言語に翻訳して…

「図解 これだけは知っておきたいコーラン入門」   洋泉社

「コーラン(クルアーン)」はイスラム教の聖典です。 イスラム世界を理解するためには、必須の教養かと思います。 タイトル通り、コーランを理解するための入門書です。 見出し、図解など教科書のようなレイアウトで、とてもわかりやすいです。 てっとりば…

「イスラームを知ろう」 清水芳見 [岩波ジュニア新書]

イスラムのことを知りたくて、入門書を探しました。 わかりやすく概容をまとめてあるものということで、この本を選びました。 「ジュニア新書」ですから青少年向けなのですが かみくだいて説明してあるので、わかりやすかったです。 知らない難しい分野を読…

「土を喰う日々」 水上勉  [新潮文庫]

「我が精進十二ヶ月」という副題 少年時代を京都の禅寺で過ごした作者の料理エッセイ 軽井沢の自然豊かな土地に一人住む筆者が 自宅の畑で取れる野菜を中心に毎日の食事を整えています。 その日々の様子を一ヶ月ごとの12章で一年間通して描いています。 筆…

「原発のない世界のつくりかた」脱原発世界会議実行委員会[合同出版]

2012.1実施の「脱原発世界会議」の公式ガイドブックです。1200円。 会議には参加できなかったけど、興味があるという方、いかがでしょうか。 会議の概要や雰囲気がわかります。 目次 「1.語る 2.みつめる 3.やってみる 4.変化をおこす」…

「茶と美」   柳宗悦    [講談社学術文庫]

民藝の柳宗悦の評論集 「『喜左衛門井戸』を見る」「茶道を想う」「織と染」「茶器」「『茶』の病」「日本の眼」 など13編収録 茶道を論じた文章が中心 発表年代順に収録されていて、 最初の何編かは読みにくかったですが、だんだんこなれてきました。 初…

「西原理恵子の‘あなたがいたから’  運命の人 鴨志田穣」

NHK「こころの遺伝子」ベストセレクション シリーズ シリーズとして、主婦と生活社から出ています。 NHKのテレビ番組を書籍化したものです。 漫画家 西原理恵子さんが 亡夫 鴨志田穣さんとの出会いと別れについて 語ったドキュメント番組でした。 鴨志田氏は…

「父の詫び状」   向田邦子  [文春文庫]

テレビドラマの脚本家として高名な故 向田邦子氏の第一エッセイ。 数あるエッセイの中でも名作として評価されているそうです。 昭和の初めから終わりを生きた筆者の文から 昭和の日本の生活の匂いが感じられます。 古き良き日本の家庭像をしのぶことができま…

「きもの美  選ぶ眼 着る心」  白洲正子   [光文社知恵の森文庫]

白洲正子氏は、日本の古典芸能・美術に造詣の深い文筆家 夫は白洲次郎氏 この本は正子氏の着物哲学を語ったエッセイで 着物や古典に関心の高い方々にとって、古典的名著のようです。 一般的な人向けに書かれているのでわかりやすい文章ですが、 やっぱり着物…

「文章読本さん江」  斎藤美奈子   [筑摩書房]

世に無数に出ている「文章読本」を概括し批評した本 (文章読本は、プロの文筆業者が素人向けに書いた文章指南書のこと) エッセイ風な語り口ですらすら読めます。 裏表紙のコピーに「斬捨御免あそばせ!」という通り、 既成の権威を斬りまくってる痛快な一…

「樋口可南子のきものまわり」   清野恵里子  [集英社]

女優 樋口可南子さんが、着物について語ったエッセイ といっても文章はご本人ではありませんが。 写真のページがたくさんあって、眺めて楽しめます。 芸能人・文化人との対談風の回、結城紬、好きな美術館で、小物類、伊兵衛織、などなど バラエティに富んだ…

「きものがたり」   宮尾登美子   [文春文庫]

芸道小説の大家 宮尾登美子氏の着物エッセイ ご自分がお持ちの着物について、月ごとにテーマを決めて12の章立てで 語られています。 1月:礼装 2月:羽織 3月:訪問着 4月:桜のきもの 5月:大島 6月:縞のきもの 7月:薄物 8月:帯 9月:刺繍の…

「和のシンプル生活」  森荷葉   [筑摩書房]

作者の森荷葉さんは和文化プランナーという、 日本文化のレクチャーやコンサルタントのような仕事をしている方 タイトル通り、和の文化を取り入れた暮らし方を書いたエッセイ 表紙は森さん宅のインテリアの写真 ジャケット買いしたくなります 活字の字体やレ…

「小説の散歩みち」  池波正太郎  [朝日文庫]

池波氏のエッセイ集 内容は小説執筆にまつわるエピソード、生活雑感、食べ物について などさまざま。 エッセイは、小説で描かれる池波ダンディズムのエッセンスが 凝縮している感じでぐっときます 震災のための節電真っ最中のこの夏には 特に胸にこたえるお…

「なぜ、その人に惹かれてしまうのか?」   森川友義

副題は「ヒトとしての恋愛学入門」 出版社は 株式会社ディスカバー・トゥエンティワン 「恋愛」を学問として、科学的に分析した書です。 筆者は政治学専門の大学教授。 畑違いのようですが、関連性があるんだそうです。 「はじめに」から引用します。 この本…

「延長戦に入りました」 奥田英朗  [幻冬舎]

奥田英朗のスポーツ・エッセイ集 奥田氏のエッセイですから、スポーツ物といっても さわやかな感動を語るような内容ではなく スポーツ観戦や参加にまつわるエピソードをななめから語ったお笑いネタ。 筆者の毒舌全開って感じです。 筆者の日常生活における優…

「お茶席の冒険」  有吉玉青   [講談社]

ご自身の茶道体験をつづったエッセイ集 藪内流(やぶのうちりゅう)を長くされているそうです。 筆者は有吉佐和子さんの娘さんなので、 さぞかし芸術に造詣の深い方かと思っていたら、そんなこともないようで ドタバタ茶道ぶりにとても親近感を持ちました 着…

「少女コレクション序説」 澁澤龍彦   [中公文庫]

澁澤龍彦氏はマルキ・ド・サドの研究で有名な文学者です。 タイトルと、女の子のマネキン人形の写真の表紙が いかにもイカガワシげな雰囲気をかもしだしていて、思わず手に取ってしまいました。 この本は、特殊な性嗜好各種について学問的に論じている とい…

「トイレの神様」 植村花菜  [宝島社]

ポップス「トイレの神様」のヒットで、一躍有名になった歌手植村花菜さんが 自身の生いたちや、この曲が誕生するにいたったエピソードをつづった本 ラジオを聞かれる方なら、きっとこの曲を耳にしているはずです。 ヒットのきっかけになったのは、あるラジオ…

「最初のオトコはたたき台」 林真理子  [文藝春秋]

「週刊文春」連載の名物エッセイの、2008年度分の単行本 非常にインパクトのあるタイトルですね 20年以上も連載が続いているなんてすごい! 読んでいると、当時の世相が思い出されます。 「雪降りの日」という章が印象に残りました。 林さんの家には、…

雑誌「PHPスペシャル10月号」    [PHP研究所]

「本を読もう -心に聞く読書案内-」という特集の号でした。 いろいろな方が好きな本を紹介していました。 漫画家の川原泉さんは、「銀河英雄伝説」(田中芳樹著)でした。 そういえばこの方は銀英伝のファンでしたね。 その関係で、川原さんの「中国の壺」…

「私のものの見方考え方 ~私の人生観~」  松本清張

タイトル通り、松本清張氏の物事への考え方がわかる文章を集めたエッセイ集 学陽書房 人物文庫より 4章に分かれています。 1章 わが人生のとき 2章 社会への視点 3章 私の小説作法 4章 歴史を見る目 第1章は、半生記のような内容で、作家になるまでの…

「恋愛少女漫画家」 一条ゆかり

少女漫画の大家 一条ゆかりさんのエッセイ。 「一条ゆかりはいかにして出来上がったか」という自身の半生記のような内容。 「生いたちの章」「青春の章」「恋愛の章」「仕事の章」に分かれています。 「生いたちの章」を読むと、ハングリー精神、バイタリテ…

「女性に関する十二章」 伊藤 整  [中公文庫]

作者は昭和期活躍した評論家、作家。 「チャタレイ夫人の恋人」を翻訳したことで裁判になったことが有名。 雑誌「婦人公論」に連載されたエッセイで、ベストセラーとなる。 その後、伊藤整ブームが起きる。 本の装丁の、いかにも時代錯誤っぽいレトロな雰囲…

「やさしいことばで日本国憲法」 池田香代子 [マガジンハウス]

「世界がもし100人の村だったら」の池田香代子さんが、 日本国憲法をわかりやすい言葉で訳したものです。 絵本のような美しい本です。 英文の憲法や、アメリカの政治学者ダグラス・ラミスさんによる解説も載っています。 日本国憲法は改めて読むと素晴ら…

「まちまちな街々 ~ニッポン見聞録~」 清水義範

作家 泥江龍彦(=作者)が、妻とともに国内を旅してその土地のことを書く、 という紀行物(というほどお堅くはないですが・・・) 鹿児島、秋田、青森、広島岡山、富山、山梨で計6話収録。 作者は旅行に行っても、しゃかりきに名所巡りをするよりも 商店街…

「独断流『読書』必勝法」 清水義範

講談社文庫から出ています。西原理恵子さんの絵が目印。 清水義範さんが選んだ日本・世界の名作小説20編ほどを解説してある本です。 「坊ちゃん」「ロビンソン・クルーソー」「伊豆の踊子」「細雪」「ハムレット」 「嵐が丘」「ボヴァリー夫人」「金閣寺」…

「マハトマ・ガンジー」 ロマン・ロラン [みすず書房]

インドの独立運動指導者 マハトマ・ガンジー(ガンディー)の伝記です。 ロマン・ロランは、「ジャン・クリストフ」の作者で、ノーベル文学賞を受賞した大作家です。 マハトマ・ガンジーは「非暴力主義」という希有な方法で、独立を成功させた偉大な人物です…

「知的複眼思考法」  苅谷剛彦

講談社+α文庫から 924円で出ています。 高校生や大学生くらいの若者に、ぜひ読んでほしい本です。 ○苅谷剛彦氏は教育社会学者。 東京大学教育学研究科教授、オックスフォード大学教授現代日本研究所教授、 セント・アントニーズ・カレッジ・フェロー などを…